先日、uConsoleやDevTermでお馴染のClockwork Piから、新しい製品「PicoCalc」が発表されました。
1万円のポケットサイズコンピューター登場!プログラミングしよう【PicoCalc kit】
PicoCalcは、Raspberry Pi PicoおよびPico2をベースにした関数電卓型のハンドヘルドコンピュータです。以下が公式サイト。

日本円で1万とちょっとという手頃な値段と、ガジェット好きの心をくすぐるプロダクトデザインに即ポチしまして、ゴールデンウィーク直前のこのタイミングで手元に届きましたので早速開封の儀をやってみました。
ちなみに発注から到達までは2ヶ月弱くらいでした。
開封の儀
箱を開けていきます!

Figure 1: お~
六角も入っているので、工具は必要ないです。 SDカードやRaspberry Pi Picoも入っていて、ファームウェアなどもインストール済み。

Figure 2: 必要なものは揃っている
アセンブル用の薄いガイドも入ってます。

Figure 3: ニヤリ
特に難しいところはないので、ささっと組み立てていきます。

Figure 4: 完成!
ディスプレイ
PicoCalcのディスプレイは320x320のIPSカラー液晶で、前面にガラス板を配置するので質感はとてもよく、視認性も良好です。
Ald+,
、 Alt+.
のキー操作で輝度調整も行えます。素晴しい。
キーボード
キーボードはポチポチとしたタクトスイッチの上に、シリコンモールドのキーラバーが載っている構造で、ラバーの質感はとてもいいです。 親指操作なので硬さは問題ない印象ですが、タクトスイッチの音はするので外で利用したりする場合は気になるかもしれません。

バックライトにも対応しており、 Alt+Space
で輝度調整やON/OFFをすることも可能です。
また、ファームウェアはArduino IDE環境で自前でビルドすることも可能です。 どうも操作していると早くタイプした場合に、入力が反映されないことがあるので、調整したいなと思っています。
サウンド機能
PicoCalcはステレオサウンドを搭載しています。 同梱されているRaspberry Pi PicoにはPicoMite MMBasicがプリインストールされており、Basicコマンドを使用して音出力を確認できます。
play tone 300 300 1000
音量調整用のエンコーダーも左側面に配置されています。
その他
PicoCalcにはSDカードが同梱されており、マスストレージとして利用できます。ファームウェアによってはブートメディアとしても利用できるようです。
左側面にはGPIOジャックがあり、外部機器と接続することもできそうです。

また、WモデルのPico/Pico2を使用すれば、Wi-FiやBluetoothも利用できます。 もちろんファームウェアの対応が必要ですが、ネットワークサービスの利用や機器接続も可能になります。
バッテリー
PicoCalcはUSB-Cポートを通じて給電が可能ですが、ポータブル利用のためには18650バッテリーが必要になります。 このバッテリーは同梱されていないため、別途購入する必要があります。充電はUSB-Cポート経由PicoCalcから行えるため、専用の充電器は不要です。

18650電池には質の悪いSAや生セルといったものも存在するそうで、選ぶ際には注意が必要とのことです。 私が使用しているのはNLA製のバッテリーで、3日間の使用を経ても今のところ充給電共に問題なく動作しています。

以下のGithub issueにバッテリー残量の確認方法が紹介されています。
Alt+B
のショートカットを使うことでLEDが点滅し、残量を3段階(3回でhigh、2回でmid、1回でlow)で表示してくれます。
ちなみに18650バッテリーを2つ搭載すると、スマホと同じかやや重いくらいの重量になります。
ファームウェア
PicoCalcは、Raspberry Pi Picoを基にしているため、様々なファームウェアを実装できます。 現在は公式リポジトリにPicoMiteのほか、FUZIX、uLisp、NESエミュレーターなど、いくつかのプロジェクトが公開されています。

Figure 5: NESエミュレータも動く
それぞれのバイナリやコード、ビルド方法はPicoCalcのリポジトリで公開されています。
Linuxが動く!?
さらにコミュニティでは、Luckfox LyraをPicoCalcに対応し、Linuxを動かすことに成功した猛者が現れました。 なんとPicoCalcでLinuxが動く!

Luckfoxは中国のLinux SBCで、どうやらPicoとピンの互換性があるらしいです。自分も早速Luckfox Lyraを発注しました(未達)。LuckfoxはAliExpressで2000円弱で購入できます。

まとめ
PicoCalcは、必要なハードウェア機能が一通り揃っており、非常に完成度の高いデバイスだと感じました。 ポータブルなサイズ感に加え、拡張性が豊富で、今後の可能性を感じさせる素晴らしいガジェットだと思います。
コミュニティでも、エディタとCコンパイラはないのか、といった話も出ており、いつでもどこでもプログラミングの幅が広がっていくことが期待できますね。 エミュレータをポーティングしてもるのも面白そうですし、ワクワクが止まらないですね!